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(いもりねかだん) 募集案内 作品案内
■ 平成13年度春の募集 入選作 発表
たくさんのご応募 ありがとうございました。以下の作品が入選されました。


第三歌集「飯盛嶺」発刊によせて

      理事長・学園長   中橋 清一

 飯盛嶺歌壇も第三歌集を発刊できるようになりました。今回の歌題は「春」です。
このように学園あげて多くの児童・生徒・学生が参加し、五・七・五・七・七という小さな定型の器に種々さまざまな内容を盛り込んでいるのは、誠にお見事であります。今日の感覚を短歌につなげたことで、学園の短歌のすそ野は、若い感牲に確実に広がっていると思います。

これからも皆さんの投稿を期待しています。

      待ち待ちてリハは咲きけり園の春色とりどりに蝶集まらん

      春光に学舎の窓華やぎて眠気を払う午後のひととき

      春の雲いもりね近くたなぴきて桜咲く庭会話ふくらむ

      風光るリハビリの坂登りつつ未来の学園夢かけめぐる

      あふれ出す想いを口に閉じこめて遠き彼方のタ焼け見つめる


【小学生の部】
天 賞 おはなみをしてるとわらうさくらのきみんなもわらういっしょにね 三年 西谷真由
地 賞 まどをあけとりのなきごえたのしそうなんのはなしかきになるな? 五年 山本真由
春の風つくしがみんなめを出せばそれにつられてみんなおきるよ 五年 渡辺かおり
春の雲風にふかれてどこ行った今ごろ宇宙で未来と会話 五年 芝ア 勝也
人 賞 一年生春といっしょにやってきた桜とともに顔をあわせる 五年 中岡 大樹
雨の中ホタルの光元気がでたよ山の思い出キャンプファイヤー 五年 佐藤 隆博
冬があけ葉からおちるしずくから無限に広がる春の光 六年 横田 成輝
佳 作 くつあらいさすが一ねんほめられてくつはピカピカぼくはピカピカの一ねんせい 一年 山本 隼外
クラスのねカメのきょうだいなかよしだわたしもはやくともだちほしいな 三年 合川 真以
山見ればみどりがあってきれいだな小鳥になってはばたきたいな 三年 大西 尚哉
花ふぶき一年生の弟にさくらの花もいわってくれる 五年 山本 真由
春になり緑の多い山になり桜よりは色気がないなあ 六年 大森 厚卓



【中学生の部】
天 賞 汗流し砂埃たつグランドの掛け声響く夏の空かな 三年 川田  聡
地 賞 春雨にぬれていこうという父の背中見つめて大きく感じる 三年 上田 啓大
人 賞 募り行く想いを風にあそばせる夜ふけ行くも眠れない日々 三年 清  良彰
佳 作 天の川向こう岸には行けなくて涙一粒星に変わるの 三年 亀井 モモ
背が伸ぴて黄色い顔に笑いかけ蝉もハモルよ夏のコンクール 三年 松浦  望
ガラクタはいつも言ってる私へと綺麗な瞳で僕を見つめて 三年 古道  静
「やっときた」風がやわらぎたんポポが春の光を吸い込み笑う 三年 近藤 敬秀
春便り友達と歩くこの道をほら向こうから蝶々が来る 三年 西尾 清香
春の空青く広く美しく翼広げて大きくはばたけ 二年 樋口 謹行
この前は綿毛だったんだ僕たちは今度は黄色い花を咲かせるよ 一年 奥林 真央
鳥たちが春と一緒に歌い出す私もともに歌ってみたい 一年 戸野谷有里



【高校生の部】
天 賞 春風のいたずらに舞う花びらよ白きブラウスピンクに染める 一年 小川 有香
地 賞 春一番通り過ぎて思い出す運動場片すみの花 一年 橋本 栄里
ホーホケキョうまく歌えたうぐいすに春風やさし梅の香運ぶ 三年 住岡 睦美
人 賞 紫陽花の葉にもしたたる梅雨の雨明ければ空に虹の架け橋 三年 安岡めぐみ
長い冬やっと終わって暖かいまぶしい輝で目覚める「命」 二年 辻本亜衣子
春めきて心が躍る並木道桜舞う空見上げ夢見る 一年 松田 梨奈
佳 作 あたたかな春の日射しの草むらで愛犬枕にうたた寝をする 一年 木村 容子
桜咲く入学式思い出に母と二人でプリクラを撮る 一年 村川 友美
会いたいを素直にメールに書けたならどんなに楽な恋になるだろう 一年 奥村 早紀
あのころへもどる事さえ出来たらと空見上げ思う遠い春の日 一年 林  里砂
春風や夕暮れの中の母の背を見つめて思う苦労の跡を 一年 坂尾 光里
春の風たんぽぽのわたげ運んでく生命を運ぶ暖かい風 一年 三次 香名
春だ春サイクリングに行こうかなこんな晴れの日君と二人で 一年 川端  緑
春めきて山に雪溶け残りつつしずくで光る新緑かな 一年 藤原茉奈美
桜咲く頃には気持ち切り替える新たな自分見つけるために 一年 北脇 理美
春うららふと庭見れば桜散る二匹の小鳥寄り添いさえずる 二年 小西  恵
春風に誘われ君に近づけば花の匂いとゆれる黒髪 二年 内藤 晃子
歩道橋並んで歩く春の道くるくる踊る黄色いボウシ ニ年 牛島 遵子
寺の中甘い香りの導きが我を会わせた大山蓮華 二年 川上  瞳
春うららあの人誘う初デート破裂しそうな私の心 二年 坂下 晶子
春の風雲一つない青い空誘われ出てきた小さなつくし 二年 木本 温子
悲しみと痛みをすべて受けとめて力に変える優しき祈り 二年 武内寿賀子
堤防の一面繁るさしもぐさ祖父と二人でよく摘んだ草 三年 大崎みゆき
風に乗りたんぽぽの羽舞い上がるふわふわふわり空の果てまで 三年 野尻 美穂
ほかほかとよもぎと一緒に昼寝して気付けば辺りはタ焼けこやけ 三年 馬場 暁江
春風は優しく吹かせ花々をゆらゆらなぴく心と共に 三年 原田真由美
春なのにあなたを思うと切なくて届かぬ思い風になりゆく 三年 田内 節子
寒い冬乗り越え生きる花々は誰にも負けず輝いて咲く 三年 高丸嘉奈子
桃色の並木歩けば栗色の貴方の髪にはらりとひとつ 三年 大庭 弥生
的を見て大事な試合声ひそめ心一つにみんなで祈る 三年 青木 順子
臆病な背中を押してくれたのはあの春描いた未来予想図 三年 上芝 由紀



【短大生の部】
天 賞 春来たりのどかな山にそぴえ立つ千年桜過ぎし時かな 鈴木 雅美
雪が降る心がはずむ雪が降るかまくらのなかの友の呼ぶ声 小谷 亜希
地 賞 春風に綿毛舞い散る青空に詩文の花を咲かせるために 糸本明日香
秋風の吹きすさぶ町枯葉舞うあなたさがしに旅に出かけた 野寺 裕子
人 賞 冬越えて次々開く花の色春風の中行く道照らし 遠藤 久実
好きな人もう戻らないあのしぐさ思い出しては涙する日々 山中 美幸
移りゆく青から白へ空の色梅雨のむらさき映えるあじさい 末吉 琴音
受話器から「桜がさいた」と君の声が間こえて日本に戻ってきたよ 黄  美善
佳 作 晴れた朝なれない化粧で出てみると満開の桜に心が踊る 足高 恵理
戯れるモンシロチョウひらひらと春を運んで共に唄おう 杉本 希依
「将来は?」聞かれる度に考える私は何がしたいのだろう 柴田貴代美
春風に舞い散る花びら一斉に桃色になる空模様 砂尾 佳那
メールでは伝わらないこともある文字では語れない私の気持ち 藤田 統子
桜舞う出会いと別れくり返す花びらひとつ思い出うかぶ 飛鷹 由紀
久しぶりと駅で声かけ会った友はいつの間にか一児の母に 舛久ひとみ
あたたかい日差しをあぴて大空へ飛び立つ命幸せあれと 松本  望
浜辺にて憂う心を春風が波とともにさらう舞う黒髪 山本 友紀
朝起きて高鳴る鼓動早くなる慣れないパンプス人混みの中 水口亜希子
梅雨明けて木漏れ陽の光隙間から透き通る風夏草育つ 楓  綾子


編集後記


 「飯盛嶺」第三歌集がようやく発刊の運びとなりました。今年度の委員は全員が新メンバーで、新年度当初から手探りの状態でした。振り返ってみれば、第一、第二と続いてきたこの歌集の火を絶やしてはならないという思いでここまできたように思います。また、「詠う」という共通の行為を通して、四條畷学園に関係する人達の「こころ」がやさしく重なりあい、この歌集が誕生しました。

 二十一世紀の世となりましたが、心痛む事件が多発し、将来へ暗澹たる想いも抱きます。しかし、学園の生徒達のしなやかで、温かく、そして素直な感性を持った歌から、その暗い想いが払拭されました。この「こころ」を見守り、大切に育てていくのが大人である私達の使命ではないでしょうか。

 流れ続ける時の中で、自分を取り巻く世界を見つめ、そして、ここにいる自分を発見していくことが「詠う」ことではないかと考えます。その集約である歌集「飯盛嶺」が第四、第五と続いていくことを願って止みません。今回お題「春」出詠歌の中から、数首、宮内庁の歌会始の詠進歌に応募させていただきましたことをご報告しておきます。

 最後になりましたが、一つの歌集を完成していく貴重な体験をさせていただきましたことを、厚く御礼を申し上げます。
平成十三年 秋 
    飯盛嶺歌壇委員会 
      小学校   雁金美佐枝 
      中学校   奥田  伸子 
      高等学校  伊藤  陽子 
      短期大学  石川  承紀 


表彰式の様子

平成13年10月2日「飯盛嶺歌壇」第3歌集の表彰式が行われました。

理事長 挨拶


小学生の表彰


高校生の表彰


入賞した小学生


高校生と


表彰会場の様子

担当の伊藤先生から発表


小学生の表彰


短大生の表彰


中学生


短大生のみなさん





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